「汝、星のごとく」(凪良 ゆう:著)あらすじと感想をレビュー(書評)

※アフィリエイト広告を利用しています。
書評
PVアクセスランキング にほんブログ村

2023年本屋大賞受賞作「汝、星のごとく」(凪良 ゆう:著)のあらすじを感想を紹介します(ネタばれ注意)。

本屋大賞受賞にふさわしい、読み応えのある作品「喜怒哀楽」がギュッとつまった素敵な作品です。

この記事を読めば「汝、星のごとく」が本屋大賞にふさわしい作品であることを知ることができます。

(ネタばれ注意)

月に一度、私の夫は恋人に会いにいく。

こんな書き出しから始まる物語。

サタロー
サタロー

続きが気になる書き出しだよね!

忙しくて読む時間が少ない人には、読まずに読書「オーディブル」がおすすめ

オーディオブックは
Amazon「オーディブル」
がおすすめ!
31日間無料で使える!
スポンサーリンク

「汝、星のごとく」(凪良 ゆう:著)

作者(凪良 ゆう)

【凪良 ゆう】

もともとは漫画家志望だったが、『銀河英雄伝説』の二次創作にはまる。執筆活動に入ってからは、ボーイズラブを10年以上書き続ける一方で、ボーイズラブ以外の作品も執筆している。一貫しているのは「どこまでも世間と相いれない人たち」を書いてきたことだという。 2006年、「小説花丸」に掲載された中篇「恋するエゴイスト」でデビュー。2007年、『花嫁はマリッジブルー』が初著書となる。 2020年、『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞。2023年、『汝、星のごとく』で第20回本屋大賞を受賞。

引用元:Wikipedia

2020年にも「流浪の月」で本屋大賞を受賞していて、今回で2回目の本屋大賞受賞となります。

2020年、「凪良 ゆう」の本屋大賞受賞作品

登場人物

【主人公】
・井上 暁海(いのうえ あきみ)
・青埜 櫂 (あおの かい)

【その他】
・井上 志穂(暁海の母)
・青埜 ほのか(櫂の母)
・北原先生
・北原 結(北原先生の娘)
・尚人(漫画家)
・植木さん(編集者)
・瞳子さん
・暁海の父
etc

「汝、星のごとく」あらすじ

出会いから交際

舞台は瀬戸内海に浮かぶ島。主人公の2人、暁海と櫂は漁港で出会う。
暁海は元々島に住んでいて、櫂は京都から移ってきた。

櫂の父親は幼くして死んでいて、母親はその後、様々な男と付き合い溺れていく。京都から島へ移ってきたのも、男を追いかけてのもの。

暁海の父親は不倫し家を捨てていて、その状況に母親は精神不安定になっている。

暁海は、精神不安定な母親に頼まれ、不倫相手の家にいる父親に会いに行く。偶然居合わせた櫂も一緒に。そこで不倫相手の瞳子に出会う。

お互い親に苦労している似た境遇から惹かれ合い、交際に発展する。

島生活からそれぞれの旅立ち

櫂は小説を書いていて、漫画や小説を投稿するサイトを通じて尚人と出会う。尚人から櫂の小説を漫画にしたいと申し出があり、コンビになる。

コンビで作成した漫画を出版社に持ち込み、紆余曲折を経て雑誌で連載をスタートすることになる。

櫂はプロの作家として活動するため、高校卒業後、東京へ行くことを決意。暁海も櫂とともに上京し、東京の大学へ通うことにしたが、暁海の母親が瞳子の家に放火未遂を起こす。暁海はそんな母親を置いて東京へは行けず、島に残ることに。

櫂とは遠距離恋愛になった。

プロ作家として

櫂は東京へ進出後、尚人との漫画が大ヒット!人気漫画家となる

暁海は、両親が正式に離婚し、さらに体調を崩した母親の面倒を見ながら、地元の会社に就職。営業アシスタントとして働く。

その会社は、女性だからというだけで、「アシスタント」であり、頑張っても昇進は望めないような時代錯誤の会社に失望する。

遠距離恋愛だが、お盆には暁海が東京へ行き、櫂と時間を過ごすことに。

暁海は売れっ子漫画家の櫂との差を感じながら、以前とは違う感情を抱き始める。

すれ違い

櫂と暁海はお互い強く想っているが、離れていることや、櫂が成功し経済的にも余裕が出た生活などにより、すれ違いが生じ始める。

すれ違いは勘違いや、お互いの想いを伝えることができなくなっていき、ついには暁海から別れを伝えられる。

暁海は、瞳子の家に通い、刺繍を学び、独り立ちするようになっていく。

スキャンダル

櫂の漫画パートナーである、尚人はゲイだった。尚人は高校生の圭と交際し、真面目な恋愛をしていたが、圭の親から編集社に乗り込み、道義的責任を問われる

あっという間に週刊誌の話題になり、漫画は打ち切り。発売されていた単行本は絶版となり、ショックで尚人は入院、引きこもりになってしまう。

櫂も仕事を失い、酒に溺れるようになっていく。

暁海の結婚

暁海の母親は宗教的な物を信じるようになり、置物やお守りなど、暁海が貯めたお金を使い果たす。その状況を目にした暁海が母親に怒ったところ、車で飛び出し、事故を起こしてしまう。

事故の相手方への賠償でお金が必要になり、別れたはずの櫂からお金を400万円借りることに。

暁海は一人で浜で酒を飲んでいたところ、北原先生に会う

北原先生は高校時の教師で、何かと暁海と櫂のサポートをしてくれていた。批判することなく、2人の境遇を応援していた。北原先生は高校の教え子と結婚し、結を設けたが、その後離婚。

暁海は北原先生からヤングケアラーであることを伝えられ、櫂のことを想って離れられないことを知りながら、結婚を申し込まれる。「足りない者同士、互助会感覚」の結婚。助け合って行こうと言われ、受け入れることになる。

櫂の病

漫画が終了してしまった櫂は、尚人以外とは仕事しないため、ほぼ無職に。

暁海とは、借金返済があることで繋がっていることが心の支えとなっていた。

櫂の母親は男とは順調に続いていたが、売れっ子作家となり、経済的に余裕が出た櫂に金無心をするようになっていた。

金無心の電話が母親からあった時、暁海の結婚を知ることになる。

そんな中、櫂は血を吐いて倒れ、入院し手術することに。

病名は「胃がん」。ステージⅢ

尚人の死

櫂は入院手術後、引きこもりになった尚人のアパートで暮らしていた。そんな中、名の通ったファッション誌で、注目の刺繍作家と紹介されているのを目にし、暁海の成功を尚人と二人で祝った。そこでまた尚人に二人で漫画家として再スタートすることを提案し、尚人も前向きに答えていたが・・・。

その夜、尚人は自宅浴室で自死しているのを、眠りから覚めた櫂が発見した。櫂み当てた手紙が残り「また一緒にやろうと言ってくれてうれしかった。もう、満足した」と記され、櫂は自分の言葉が決壊寸前の心に負荷を与えてしまったと感じてしまった。

暁海と櫂の再開

暁海と北原先生の結婚生活は順調だった。仕事も順調で、母親も施設に入り、施設で仲間もできて落ち着いた生活ができていた。

櫂と別れて7年経ち、近況わからなかったが、高校生のころ、櫂がつけてくれた香水の匂いがする女性とすれ違った際、思い出がよみがえる。

そんな中、櫂の母親から連絡があり、櫂が胃がんであり、櫂の様子を見てきてほしいと懇願される。

顔を青ざめて帰宅すると、北原先生がすぐに察知し、櫂の元へ行くように促される。

すぐに荷物をまとめて櫂の元へ。

わたしは愛する男のために人生を誤りたい

櫂は生への希望を失いかけていたが、暁海が病院に現れ、一緒に暮らすことを告げると前向きに治療するようになる。「いられるところまで一緒にいよう、一緒にいさせて」。二人の大切な時間が少なくなっていく。

ラスト・・・

「今治の花火が見たい」櫂がつぶやく。高校生の時にちゃんと見られなかった今治の花火を見たいと櫂が言う。体力はどんどん落ちている。担当医などと連携し、もしもの場合の対処を行い、今治へ行くことに。

今治では、北原先生が迎えに来ていた。戸籍上では暁海の夫である。北原先生はすべてを受け入れている。花火当日は北原先生とその元妻(菜々)、娘の結とともに花火が見える対岸へ。北原先生も想い人と再会していた。

空には「金星」が輝いている。「高校生のころ、浜で一緒に見たね」そう言いながら櫂の体温は下がっていく。花火はまだ上がらない。暁海は櫂の手を強く握る。櫂は答えるように少し握り返す。花火は空絵上がり、力尽き、海へ落ちていく・・・。

その後

北原先生は月に一度、菜々に会いに行く。明日帰ってくるまでは暁海の夫ではない。隠し事のできない島では様々な噂になっているが、他人事のように聞き流す。

東京の出版社の名が記された封筒が届いている。開封すると「汝、星のごとく(青埜 櫂:著)」。暁海頬に涙が伝う・・・。

「汝、星のごとく」の感想

様々なことを感じることができる作品だが、特に3点に絞って感想を言いたい

親に振り回される人生

現代の問題となっている「ヤングケアラー」。この作品では、暁海が精神を病んだ母を必死に支えていた。生活面、経済面、自分の夢、恋人との将来・・・。本来であれば負うことのない負担を子が負って、生き生きとした生活を送れない。

作中でも、暁海が瞳子から「自分の人生を生きることを、誰かに許されたいの?」と問われるが、当事者であればそんなに簡単な問題ではない。その投げかけ自身が、ケアしている人の負担になってしまう可能性もあると感じた。

同性愛者の恋

作中で、尚人は男子高校生「圭」と交際する。高校生のうちは未成年だからと、手もつながず純な交際を行っていた。大学生になり「圭」の母親に交際がばれ、未成年者に手を出したことで、編集者に乗り込まれることに。

LGBTQの啓発が進んできているが、まだまだ好奇な目で見られているのは否めない。交際は当事者同士ではぐくみ認めていくもので、他社がどうこう言うものではない。

真実は当事者同士しかわからないにも関わらず、世の中は推測で面白可笑しく発信してしまう。そのようなことで、人の人生を大きく狂わせてしまうことがあることを、発信する側は強く認識する必要があると感じた。

すれ違いの恋

暁海と櫂の恋物語。大きく括るとこの作品はそう表現できるものだと思う。噂がすぐに蔓延する窮屈な島での生活、両者とも、親の存在に問題を抱え、その問題を元にひかれあっていく。

また、櫂は夢の成功を手にし東京へ行くが、暁海はついていくことがかなわず、島と東京での遠距離恋愛に発展。通信手段が発達した現在でも、身近にいない遠距離恋愛はすれ違いや勘違いが生じてしまう。そのすれ違いの様がよく描かれ、とても切なく、とてもうれしく、とても悲しく感じる場面がたくさんあり、一気読みさせてくれる作品だった。

北原先生

暁海と櫂が主人公の本作品にあって、北原先生は異色の輝きを放つ人物だった。
要所要所で暁海と櫂を手助けし、また、よき理解者でもあった。

作品の中では北原先生の年齢や経歴など、詳細は明かされていないが、高校教諭としてその教え子と恋愛関係となり、結婚し、子供が生まれた後に離婚するといったところまでは描かれている。

最後に一緒に花火を見に行ったり、その教え子の家に月に一度行くようになるといった様子からすると、別れたくなかったが、事情により別れざるをえない事情があったのではないかと推測する。

作品の中では、北原先生は櫂と暁海に影響を与えるだけでなく、自分自身も彼らの恋愛に巻き込まれていくことになりました。

「汝、星のごとく」名言

暁海が櫂のために側にいる選択をした際の言葉

「わたしは愛する男のために人生を誤りたい」

想いが目一杯詰まった、心に響く名言だと感じました。

まとめ:「汝、星のごとく」(凪良 ゆう:著)あらすじと感想をレビュー(書評)

2023年本屋大賞受賞作にふさわしい、一気に読ませてくれる、本の世界に入り込ませてくれる作品だった。

性別や年齢によって感じ方が様々になる作品だと感じる。

BLを手掛ける「凪良 ゆう」だけに、恋を様々な角度から感じさせてくれる作品だったので、たくさんの人に読んでもらいたいと思った。

書籍の購入は楽天ブックスがおすすめ。楽天ポイントが付与され、楽天市場で購入時のポイント獲得もアップする

注文して翌日には届く
「楽天ブックス」

楽天ブックス

にほんブログ村 ブログブログ 雑記ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました